症例案内 眼科

角結膜転位術(corneoconjunctival transposition)

適応症:角膜穿孔

角膜穿孔(角膜が外傷などにより傷がつき、その傷が角膜を貫通して眼球内にまで及ぶもの)に至った眼球については外科的な治療が必要となりますが、角結膜転移術は獣医療における代表的な術式と言えます。本術式は、角膜穿孔部に隣接した健常な角膜を半層切開した後に上層を平行に移動して穿孔部位を被覆するというものです。

結膜からの血管供給を受けられるという点でも傷の修復に有利に働き、病変部の強度・透明性が結膜移植術に比べて良好です。高度な技術(厚みが0.5mmの角膜を半層に分離するなど)が必要となることから普及率が低い術式ではありますが、角膜穿孔に至った眼に関しては疼痛・感染・眼球癆といった重大な問題を引き起こしてしまうため、ぜひとも受けていただきたい手術となります。